MADE IN(メイドイン)なすしおばらを味わおう~ 牛乳編~
那須塩原市は生乳生産本州一位の酪農が盛んなまちです。
酪農家や酪農組合などは、日々厳しい飼養管理を行うことで乳質向上に取り組み、安心安全な生乳生産に努めています。
今回は鍋掛で酪農業を営む荒井 康裕(あらい やすひろ)さんにインタビューをさせていただきました。
酪農業を始めたきっかけは何ですか?
酪農系の大学を出て、民間企業で2年間勤務した後、
「どうせ仕事をしていくなら、自分がトップになる方がいい」と思い、親元で就農しました。
以前から、朝晩は家の仕事を手伝っており、仕事の内容はわかっていたので、抵抗は少なかったです。
現在は経産牛を約50頭、育成牛(仔牛)を約20頭飼育しています。
1日の仕事の流れを教えてください
4時 起床 4時20分~8時頃 牛舎の掃除、餌やり、搾乳 終了後 畑仕事があるときは畑仕事、ないときは、牛舎の細かい仕事などを行う 16時~20時頃 餌やり、搾乳 |
分娩がある場合(年間40頭程度)には、夜中までかかることもあります。
人口授精や分娩は基本的に1人で対応しています。
酪農系の学校を出ていれば講習会があり人工授精師の資格を取得できるので、ほとんどの酪農家は資格を持っていますが、自分で人工授精を行っている人は少ないと思います。(自分で行わない場合は獣医が行います。)
おいしい牛乳にするためにこだわっていることは何ですか?
1. 餌を工夫する
餌が重要なので、自給飼料は質のよいものをつくるように心がけています。
乳量に合わせて餌を配合することで、乳量や乳質の向上だけでなく、病気になるリスク回避につながることもあります。
2. 環境を整える
牛にとって過ごしやすい環境をつくってあげることも重要です。牛の体調に応じて、「つなぎ牛舎」と自由に動くことのできる「フリーバーン」を使い分けています。
↑牛が自由に寝起きできる「フリーバーン」エリア
その他にこだわっていることはありますか?
安定した乳量を確保するために、分娩のタイミングを管理する必要があります。
一般的には生後13~14ヶ月で1回目の人工授精を行い、約24ヶ月の頃、1回目の分娩を迎え、搾乳が始まります。
産後60日目頃が乳量のピークで、その後徐々に減っていきます。乳量が減る前に再度分娩をさせることが理想ですが、泌乳(※)していると授精しにくいため、次の分娩時期の適切な管理が必要となります。
※泌乳=乳の分泌が起こること
↑牛をよく観察して、異変にすぐに気が付くことも重要
荒井さんは牛の聴診もご自身で行うそうです
これからの酪農業について、どんなことが必要だと思いますか?
酪農業というと、大変な部分が目につきがちですが、いい部分を見せていくことや、頑張れば自分の好きなことを楽しめるくらい稼ぐことができる仕事であることを次世代に伝えていくことが重要だと思っています。
1. 自分の家にいられる! 2. 家族の時間が取れる! 3. 急でも時間の融通がきく! 4. 自分の趣味を持つくらい稼げる! |
「共進会」で酪農のイメージアップも
乳牛の体型の改良を競う大会「共進会」。コロナ禍でここ数年開催できていませんが、酪農のイメージアップにもつながるイベントだと言います。
最近は、女性の酪農家も増えていますし、後継者育成の観点でもそういったイメージアップも大切なんですね。

共進会の様子


那須塩原ブランド認定品「パスチャライズド牛乳」
荒井さんが加盟している「那須箒根酪農業協同組合」では非遺伝子組み換えの餌を使用することが決められています。
荒井さんが搾った生乳は、低温殺菌で生乳本来の美味しさが味わえる、安心安全の「パスチャライズド牛乳」となり、みなさんの食卓に運ばれています、ぜひ、味わってください。
※記事の内報は取材を行った2021年10月時点のものです。
特集「MADE IN(メイドイン)なすしおばらを味わおう」とは?
本市が誇る農作物を紹介する特集記事です。広報なすしおばらと連動し、広報誌では「農産物」を中心に、市ホームページでは「人」を中心に紹介しています。
この記事に関するお問い合わせ先
産業観光部 農務畜産課
〒325-8501
栃木県那須塩原市共墾社108番地2
電話番号:0287-62-7147
ファックス番号:0287-62-7223
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更新日:2021年12月21日