ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー113)
愛情いっぱいのわが子への贈り物~オトシブミのゆりかご作り~
【平成26年(2014年)6月20日号】


初夏、新緑に包まれた雑木林のふちを散策していると、地面に筒状に巻かれた不思議な葉っぱが落ちていることがあります。その作り手が今回の主役、オトシブミです。
オトシブミは、木の葉を巻いてゆりかごを作る習性をもつゾウムシの仲間です。ゆりかごの中には通常1つの卵が産み付けられています。
ゆりかごを作る手順は、まずはじめに葉の上を歩き回って、葉の状態を確かめます。その後、葉のつけ根付近を切り、かみ傷をつけて葉をしおれさせます。柔らかくなったら主脈を軸に二つ折りにし、葉の先端から巻き始めます。数回巻いたら穴をあけて産卵し、再び巻き続けます。その姿はまるで折り紙職人のようです。正確に、そして力強く、葉を巻いていきます。最後に葉の残りの部分を反転させて、巻きがほどけないようにかぶせたら完成です。1つのゆりかごを作るのに、2時間ほどかかります。
こうして作られたゆりかごは、生まれてくる幼虫の身を守るすみかとなり、食糧にもなるのです。ゆりかごの中で孵化した幼虫は葉を食べて成長し、1カ月ほどで成虫になって出てきます。
ゆりかご作りは7月頃まで見られます。ぜひ一度、覗いてみてください。1センチメートルに満たない小さな甲虫の見事な職人技と母親の愛情に、きっと感動されることでしょう。
じゅんじ
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更新日:2021年11月30日