ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー173)
昆虫界の生きる伝説 ~ヤマトイシノミ~
【令和元年(2019年)9月5日号】
ヤマトイシノミって?
体長は1~1.3センチメートルほど。東日本を中心に広く分布する。全身は鱗粉で覆われ、保護色になっている。日光市で採集された標本をもとに1943(昭和18)年に新種として記載された。


7月に親子昆虫教室の下見で、田舎ランド鴫内の周りを歩いていると、講師の一人が立ち止まって、「いた!これそうじゃない?」と木の幹を指差しました。そこにいたのが写真のヤマトイシノミです。那須野が原博物館で開催中の特別展「昆虫創世記」の企画が決まってから、ずっと撮りたいと思っていた昆虫です。
イシノミの名は、石の上にすみ、ノミのようにジャンプをすることから付けられました。翅がないので幼虫のように見えますが、これでも立派な成虫です。イシノミは、昆虫のなかで最も原始的なグループのひとつで、最古の化石はデボン紀中期(約4億年前)の地層から見つかっています。この頃に登場した昆虫は、翅をもっていないため、空を飛ぶことはできませんでした。つまり、イシノミは翅をもたないほど原始的な昆虫なのです。その他にも、腹部に脚のなごりとなる小さな付属肢をもち、脚のように伸びた口器があるなど、昆虫の祖先がもっていたかたちを残しています。まさに、大昔からほとんど姿を変えずに生き続けている「生きた化石」といえるでしょう。
イシノミは、渓谷の林や神社の石段など、日の当たらない湿った環境で、木の幹や岩などに付いた藻類を食べて暮らしています。見つけたらじっくりと観察して、太古の昆虫の姿を想像してみてはいかがでしょうか。
じゅんじ
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更新日:2021年11月30日