ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー167)
命をつなぐ出会いに感謝~大人になる前のくろさ~
【平成31年(2019年)3月5日号】
クロサンショウウオって?
日本固有のサンショウウオです。東北地方から、中部地方にかけての本州と佐渡に生息しています。4~5月にかけて、卵型状の卵嚢を水中の枯れ枝などに産みつけます。市内には、大規模な産卵場所があることで有名ですが、環境悪化などにより、上陸する個体数の減少が危惧される現状にあります。国・県・市で準絶滅危惧種に指定されています。
昨年10月、いつものように大沼周辺での生き物調査をしていたときのこと。一本の倒木の下をのぞくと「ウオー!」と、いつもの大声が大沼の森林に響き渡りました。
私に大声を出させた犯人は、倒木の下で「うるさい!」というような顔をした、体長9センチメートルのクロサンショウウオくんでした。「なんだ、いつも会っているでしょう!」と言わないでください。クロサンショウウオは、陸上生活を始める時点では体長6センチメートルほどで、5年ぐらいかけて産卵できる12センチメートルから18センチメートルの大きさに成長するといわれています。つまり、体長9センチメートルの個体は、水から上がって、2年から3年たったものと考えられます。
それで、私がなぜ大声になったかというと、2〜3年前は梅雨時期に雨が降らず、大沼周辺の湿地帯のほとんどが干上がってしまい、クロサンショウウオの卵と幼生が死んでしまっていたからです。そんな中、約200匹の幼生を湧水のある保護区へ移動した経緯がありました。
そうなんです。この9センチメートルの個体は、そのときの成長したクロサンショウウオの可能性が考えられたのです。「よく大きくなったナ。よく生きていてくれた」と思うと「ウオー!」が出てしまいました。
みなさん、今年は、身近な生き物に、より目を向ける年にしてみませんか。そして、「ウオー!」と叫べるような体験を、ぜひしてください。
あきお
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更新日:2021年11月30日