ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー156)
ミツバチにそっくり!?~ハナアブの仲間~
【平成30年(2018年)4月5日号】
ハナアブって?
ハナアブ科に属する昆虫の総称で、日本には400種ほど生息する。名前に「アブ」とつくが、実はハエに近い仲間。シマハナアブの幼虫は水中で過ごし、成虫になると花粉や蜜を食べて暮らす。
やわらかな日差しが心地よい季節になりました。冬の寒さが厳しかったせいか、例年より春の訪れが嬉しく感じます。
春になると菜の花やスミレ、桜などが一斉に花を咲かせます。そこに、チョウやハチなどの昆虫が蜜を求めて次々と訪れます。ごくありふれた光景ですが…、あら⁉へんな虫がすました顔でまぎれ込んでいます。それが今回紹介するハナアブの仲間です。
ハナアブは、黄色と黒のしま模様で、ハチにそっくりな姿をしています。よく見ると、ハチのように腰がくびれていないのに、黒い模様をつなげてくびれたように見せたりして、とても手が込んでいます。しかし、比べて見れば、眼がやけに大きかったり、触覚が短かったり、しまいには翅が2枚しかなかったりと、ハチとずいぶん違うことが分かります。
ハチは鋭い毒針をもっていて、それをアピールするために、あえて目立つ色をしています。鳥たちは刺されるのが嫌なので、ハチを襲うことはありません。そうした習性を利用して、何も武器をもたないハナアブは、ハチになりすまして天敵から身を守っているのです。こうした形態は「ベイツ型擬態」と呼ばれ、他にもカミキリムシやガの仲間で見られます。
毒針を備えたミツバチとそれに似せて身を守る虫たち。スタイルは違いますが、どちらも生き残るために特殊な能力を身に着けているのです。
じゅんじ
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更新日:2021年11月30日