ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー153)

更新日:2021年11月30日

寒い冬が大好き!フユシャクの仲間

【平成30年(2018年)1月5日号】

フユシャクって?

冬に活動するシャクガ科の総称。日本には35種生息する。幼虫はいわゆる「しゃくとり虫」の姿をしている。成虫は口が退化しているため、食べ物をとらずに活動する。雑木林のある公園などで見られる。

フユエダシャクの一種(オス)の写真
フユエダシャクの一種(メス)の写真

冬になると見られる昆虫も減り、林の中はシーンと静まり返っています。しかし、そんな季節でも元気に活動する虫がいます。それが今回紹介するフユシャクの仲間です。

フユシャクはあえて寒い季節に現れて活動するガの仲間です。昆虫は変温動物のため、体温が低いと飛ぶことができませんが、フユシャクは氷点下になっても活発に動くことができる特殊な能力をもっています。日中は落ち葉や枝にとまっていることが多く、おもに夕方から夜にかけて活動します。

オスは、細い体に枯葉に似た地味な翅をもっています。一方、メスは体が太く、飛ぶための翅が退化していて、とてもガとは思えない姿をしています。メスが翅をもたない理由は、表面積が広いと体温が奪われやすいからとか、飛ぶのに使うエネルギーを産卵にあてるため、などいくつか説がありますが、まだはっきりと分かっていないようです。

飛ぶことができないメスは、オスを引き寄せるためにおしりからフェロモンを出します。香りに誘われたオスはメスのもとに舞い降りて結ばれます。春になると卵からかえった幼虫は葉を食べて成長し、土に潜って冬の訪れを待つのです。

冬の生活に適応したフユシャクに出会い、自然界で生き残る戦略の多様さを改めて感じました。

じゅんじ

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