ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー155)

更新日:2021年11月30日

今年は、無事に上陸して!~クロサンショウウオと雪かき~

【平成30年(2018年)3月5日号】

サンショウウオの卵?

 クロサンショウウオは、市のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。
全長12~19センチメートル。寿命は10年ぐらいといわれています。雌は、鶏卵状の1対の卵嚢(卵の入った袋)を産み、1つの卵嚢に約50個の卵が入っています。8月下旬~9月上旬にかけて、オタマジャクシから成体になり上陸します。

昨年の調査時に出会った枯葉の上にいるクロサンショウウオのクロ君の写真
水辺に浮かぶ黄色いクロサンショウウオの卵嚢の写真

今年の冬は、本当に雪がよく降ります。雪かきをしたと思ったらまた積もる雪、腰や腕がパンパンになります。「昨年は少なかったナ」と、うらめしげに雪空を見上げると、ふと昨年の大沼周辺のクロサンショウウオのことが頭に浮かびました。

それは、昨年の塩原は降雪量が非常に少なく、雪が解けた4月中旬から始まるクロサンショウウオの産卵に大きな影響があったことを思い出したからです。

産卵場の沼が水たまり程にしかならず、その中で産卵が行われました。そして6月上旬、梅雨に入る直前に水が干上ってしまいました。残念ながら、昨年は大沼公園ではクロサンショウウオのオタマジャクシはサンショウウオになって陸地に上がることはできませんでした。

クロサンショウウオは、市内の標高1000メートル以上の山地が主な生息地になっています。塩原では1960年代から調査がなされていて、この地域を代表する両生類の一種です。しかし、昔と比べ産卵場所が3分の1に減少。昨年のような天候不順によって、上陸個体がいなくなってしまうといった厳しい生息環境下に置かれている現状です。

それを心配して、昨年8月下旬に次の産卵を行える個体調査をした時に出会ったのが、写真のクロ君です。今頃はたくさん積もった雪の下の地中で、静かに春を待っていることでしょう。春の再会を楽しみに、さあ雪かきです。

あきお

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