ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー142)

更新日:2021年11月30日

来年の夏も塩原の空へ~オオムラサキの越冬幼虫~

【平成29年(2017年)1月5日号】

オオムラサキの卵と赤ちゃん

オオムラサキは、1羽の雌から数回に分けて約400個の卵を産むそうです。写真の葉には、約50個の卵が産みつけられていました。大きさは約1ミリメートル。約1週間でふ化して、約3ミリメートルの赤ちゃん(幼虫)が生まれました。頭が真っ黒な頭でっかちが、赤ちゃんです。赤ちゃんは、まず卵の殻を食べることによって、エノキの葉を食べることを覚えるそうです。

赤い枯葉の上に乗っている越冬幼虫の写真
ふ化直後のオオムラサキの幼虫の写真

箱の森プレイパーク・童夢館前のエノキから、オオムラサキの旅立ちを見守って、10日経った8月1日。エノキの葉に、1ミリメートルくらいの小さな粒々を見つけました。「これ、何だろう」と不思議に思い、部屋から虫メガネを持ってきてのぞいて見ると、ダンゴのように丸くて、たてじま模様がありました。それから1週間後、50個ほどの粒々から、次から次へと頭が真っ黒な3ミリメートルぐらいの幼虫が出てきました。オオムラサキの赤ちゃんが誕生した瞬間でした。

赤ちゃんたちは、せっせとエノキの葉を食べて夏を過ごし、そして迎えた11月。エノキも葉をほとんど落とし、秋の終わりを告げていました。そして、木の周りの落ち葉を踏まないように、気をつけながら1枚めくると…いました。緑色から茶色に変身したオオムラサキの幼虫が冬支度をしていました。これから、塩原の厳しい冬を乗り越えなければなりません。「卵からかえった幼虫たちも、冬ごもりするまでにはかなりの数が減ってしまう。そして春になり、エノキに登れる幼虫もまた少なくなってしまうんだ」と、私の先生も言っていました。

そんな話を聞いていた私は、声をかけずにはいられませんでした。「がんばれよ。春にはエノキに登り、夏には大空へ!」と…。そして、葉を元に戻して、上から落ち葉の布団を10枚ぐらいかけてあげました。

あきお

この記事に関するお問い合わせ先

企画部 企画政策課 情報戦略係

〒325-8501
栃木県那須塩原市共墾社108番地2

電話番号:0287-62-7109
ファックス番号:0287-62-7220

お問い合わせはこちら

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
このページの情報は役に立ちましたか?



このページの情報は見つけやすかったですか?