ちっちゃな自然み~つけた(ナンバー143)
昆虫界の大横綱~ヨコヅナサシガメ~
【平成29年(2017年)2月5日号】
ヨコヅナサシガメって?
体長16~24ミリメートルの外来のサシガメ類。和名の由来は、腹部の白黒の縞模様を力士の化粧まわし、もしくは行司の軍配に見立てたなど諸説ある。公園や学校、道路などに植えられた木の幹にいることが多い。手でつかむと刺されることがあるので要注意。


先月の初場所は稀勢の里が初優勝を果たし、19年ぶりに日本人横綱が誕生するという嬉しいニュースがありました。これまでモンゴル出身力士が「平成の横綱」として圧倒的な強さを誇っていましたが、これからはまさに戦国時代。大相撲から目が離せない1年となりそうです。
実は、昆虫界にもアジアからやってきた横綱がいるのです。その名も亀虫部屋の「ヨコヅナサシガメ」。体長2センチメートルほどの大きなカメムシで、光沢を帯びた黒い体に、うちわ状に張り出した腹、さらに縁には白い紋を備えています。肉食性で蛾の幼虫やクモなどを捕まえて体液を吸います。夏にふ化した幼虫は、桜の幹のくぼみなどで冬を越し、5月頃に成虫となります。注目すべきは、羽化する時の色。殻を破って出てきた成虫は、全身が真っ赤に染まり、とても怪しげな姿をしています。初めて見た人は、誰もが警戒感を覚えることでしょう。
ヨコヅナサシガメは、1930年代に九州に上陸。80年代までは西日本を中心に分布していましたが、平成に入ると急激に勢力を拡大し、91年には横浜市で、95年には栃木県でも発見されるようになりました。分散能力が非常に高いことから、在来種への影響が懸念されています。
昆虫界も大相撲のように巻き返しを図りたいところですが、こちらはそう簡単にはいかなそうですね。
じゅんじ
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更新日:2021年11月30日