鍋掛のイトヨ
イトヨは、ミヤコタナゴとともに栃木県に棲息(せいそく)している希少な魚の一つである。海と川を行き来している降海型(こうかいがた)と、淡水のみに生活している陸封型(りくふうがた)があり、栃木県内のイトヨは陸封型の太平洋側における南限である。生息地は、自然湧水のある所、もしくは湧水地近くの小川で、夏でも水温が低く20度以下の所に限られている。
鍋掛地区のイトヨは、昭和47年(1972)頃に大田原市市野沢(いちのさわ)から移されたもので、同50年(1975)頃から鍋掛小学校の児童が、学校の東側を流れる上の沢観察地(イトヨの里)を中心に保護観察を行っている。なおこの上の沢観察池の水温は、年間を通して15度以下である。
産卵期は4~5月頃で、この時期になると、雄の腹部は赤いきれいな婚姻色を現す。また、雄が水草や藻類(そうるい)の繊維などを肝臓から分泌する粘着物で固め、トンネルのような巣を造り、ここに雌を誘導して卵を産ませる珍しい魚としても有名である。産卵後の稚魚の保護も雄の役目で、雌は1度に30~150個の産卵後に死んでしまうものが多い。食性は水生昆虫など。背中にあるトゲは背びれで、身を守る有力な武器である。

鍋掛のイトヨ(雄)

鍋掛のイトヨ(雌)
名称
鍋掛のイトヨ(なべかけのいとよ)
指定年月日
昭和57年(1982)4月20日
指定別
市指定
区分
記念物
種別
天然記念物
所在地
鍋掛(清川)
管理者
鍋掛小学校
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更新日:2021年11月30日