板室温泉「温泉記」
この温泉記は黒羽(大田原市)出身の秋本以正(あきもとゆきまさ)が、正徳4年(1714)に板室温泉で綴った漢文体の文書である。内容は板室温泉の自然や情景、風物から効能にまで筆が及び、当時の板室温泉を知る貴重な古文書である。
以正は元禄元年(1688)に黒羽藩士の子として生まれ、長じて江戸へ出て荻生徂徠(おぎゅうそらい)に学び、徂徠門下11位に列した。東都一の才子といわれ、漢詩文に優れ諸大名や貴顕(きけん)の詩会に招かれた。元文(げんぶん)3年(1738)、岡崎藩(愛知県岡崎市)の儒官となり、藩主水野忠辰(ただとき)や藩士・城下の商人などへ漢学や漢詩文を教授し、同地で没した。そのため岡崎市には、多くの漢詩文や頌徳(しょうとく)の碑が現存している。
なお、もともとは板室(板室本村)の室井家で所蔵していたものである。
名称
板室温泉「温泉記」(いたむろおんせん「おんせんき」)
指定年月日
平成13年(2001)3月9日
員数
1点
指定別
市指定
区分
有形文化財
種別
古文書
所有者
那須塩原市
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更新日:2021年11月30日