住民税(市県民税)の基礎知識
1.住民税とは
住民税は、市に納入する「市民税」と県に納入する「県民税」に分かれています。
一般に市民税と県民税を合わせて「住民税」、または「市県民税」と呼んでいます。個人の住民税は、日常生活に身近な関わりをもつ都道府県や市町村の仕事のための費用を、それぞれの負担能力に応じて分担しあうという性格の税金であるところから、所得税よりも納める人の範囲は広くなっています。
また、所得税は、基本的には法人や個人が税金を計算して納める仕組みとなっていますが、個人の住民税は市町村が計算して法人や個人に通知し税金を徴収する仕組みとなっています。
なお、サラリーマンの場合、所得税は毎月の給料ばかりでなくボーナスからも源泉徴収されるのに対して、個人の住民税は毎月の給料からだけ納める仕組みになっています。
住民税は、地域の住民全員が、住みよい地域社会をつくるために必要な費用を税として納める「地域社会の会費」です。
2.住民税が課税される人(納税義務者)
- | 那須塩原市内に住所がある人 | 那須塩原市内に住所はないが、家屋敷、事務所・事業所がある人 |
---|---|---|
均等割 | 課税される | 課税される |
所得割 | 課税される | 課税されない |
個人の住民税の賦課期日は、毎年1月1日とされています。その年度の住民税をどこで納めるかは、その人がその年の1月1日現在どこに住民票があったかにより決まります。
つまり、その年の1月1日現在、那須塩原市に住所があれば、その後、他市区町村に転出したとしてもその年度の住民税は那須塩原市で課税されることになります。
3.住民税の計算方法
住民税は、前年中の収入や生活状況で課税、計算されます。例えば、その年度分の住民税の所得といった場合、前年中の収入から計算された所得、ということになります。各種控除、扶養控除関係も同じで、前年中(扶養は前年の12月31日時点)の状況により、控除額の算定を行うことになります。
4.均等割と所得割
住民税は非課税となる人を除いて、所得の多い人も少ない人も同じ額を負担する「均等割」と、その人の所得金額に応じて所得の多い人ほど多くの負担をする「所得割」との2つから成り立っています。
なお、他に道府県民税として、利子所得に対する利子割、一定の上場株式等の配当等の所得に対する配当割、源泉徴収を選択した特定口座内の上場株式等の譲渡に係る所得に対する株式等譲渡所得割があります。
5.均等割
個人住民税の均等割は、東日本大震災復興基本法に基づき、平成26年度から10年間にわたり、臨時的に年額1,000円が引き上げられていましたが、令和5年度でこの措置が終了し、新たに森林環境税が導入されます。
令和5年度まで | 令和6年度以降 | |
個人市民税均等割 | 3,500円 | 3,000円 |
個人県民税均等割 | 2,200円 | 1,700円 |
森林環境税(国税) | ― | 1,000円 |
合計 | 5,700円 | 5,700円 |
(注)県民税均等割額には、平成20(2008)年4月から「とちぎの元気な森づくり県民税(700円)」が含まれています。
※令和9(2027)年度で終了予定
詳しくは栃木県のホームページをご覧ください。
6.所得割
所得割は、課税をする年の前年の1月1日から12月31日までの一年間の所得に対して課税されます。
所得割の計算方法
所得割の税額は、一般に次のような方法で計算されます。
課税所得金額(所得金額-所得控除額)×税率-税額控除額=所得割額
所得割の税率
10%(市民税6%、県民税4%)
7.均等割も所得割もかからない人
- 生活保護法によって生活扶助を受けている人
- 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下であった人(給与所得者の年収に直すと204万4千円未満の人)
8.均等割がかからない人
前年中の合計所得金額が、28万円に本人、控除対象配偶者および扶養親族の合計数を乗じて得た金額に10万円を加算した金額(控除対象配偶者または扶養親族がある場合には、その金額にさらに17万円を加算した金額)以下の人
例1:独身の人の場合(控除対象配偶者や扶養親族がいない人)
28万円×1(本人)+10万円=38万円
前年中の所得が38万円以下なら均等割は非課税(この場合、所得割も非課税なので、住民税自体が非課税になります)。
例2:控除対象配偶者、扶養親族が2人いる場合
28万円×{1(本人)+1(控除対象配偶者)+2(扶養親族)}+10万円+17万円=139万円
前年中の所得が139万円以下なら均等割は非課税(この場合、所得割も非課税なので、住民税自体が非課税になります)。
9.所得割がかからない人
前年中の総所得金額等が、35万円に本人、控除対象配偶者および扶養親族の合計数を乗じて得た金額に10万円を加算した金額(控除対象配偶者または扶養親族がある場合には、その金額にさらに32万円を加算した金額)以下の人
例1:独身の人の場合(控除対象配偶者や扶養親族がいない人)
35万円×1(本人)+10万円=45万円
前年中の所得が45万円以下なら所得割は非課税(ただし、所得が38万円を超えて45万円以下の場合、均等割が課税になる場合があります)。
例2:控除対象配偶者、扶養親族が2人いる場合の計算方法
35万円×{1(本人)+1(控除対象配偶者)+2(扶養親族)}+10万円+32万円=182万円
前年中の所得が182万円以下なら所得割は非課税(ただし、所得が139万円を超えて182万円以下の場合、均等割が課税になる場合があります)。
10.利子割(県民税のみ)
利子所得に対しては、県民税利子割として、利子等の支払いのときに、他の所得と区別して5%の税率で分離課税を行います。
この場合の徴収(特別徴収といいます)は、利子所得等の支払いをする金融機関等が行います。
11.配当割
一定の上場株式等の配当等の所得に対しては、県民税配当割として、配当等の支払いの際、他の所得と区分して20%(所得税15%、住民税5%)の税率で分離課税が行われます。
この場合の徴収(特別徴収といいます)は、配当等の支払いをする人が行います。
なお、上記の配当等の所得は、申告をしなくてもよいことになっていますが、申告をした場合は所得割で課税され、所得割額から配当割額が控除されます。
12.株式等譲渡所得割
源泉徴収を選択した特定口座内の上場株式等の譲渡に係る所得に対しては、県民税株式等譲渡所得割として、他の所得と区分して20%(所得税15%、住民税5%)の税率で分離課税が行われます。
この場合の徴収(特別徴収といいます)は、上記の譲渡の対価等の支払いをする人が行います。
なお、上記の譲渡に係る所得は、申告をしなくてもよいことになっていますが、申告をした場合は所得割で課税され、所得割額から株式等譲渡所得割額が控除されます。
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更新日:2024年04月17日